2024/07/27(土) 18:11
#あの頃、信仰のような恋をしていた。
これは回顧録の類いであり、懺悔であり、祈りでもあります。
配信で「仕事も手につかなくなっちゃうくらいズブズブのぐちゃぐちゃになっちゃうような恋がしてみたい」なぁんて言ってますけど。
おれは、一度だけ、それに似た恋をしたことがある。
年齢不詳のピエロのおれが言っても説得力はないですけど、人生の半分…は言いすぎですね。三分の一くらいかな。それくらいの長い間、一人の人を好きでいました。
いやこの言い方だと語弊あるな!?おれがめちゃくちゃ一途で健気な人みたいじゃない、これだと。
でも現実はそんな綺麗なものじゃなくて。その人を諦めようとして別の人と付き合ってみたり、その人と距離を置いたりした時期もあったので、ずっと一途にその人だけを好きでいたとか、離れず傍にいたとかそういう類ではねぇのよ。
……あ、先に言っておくと、今はおれはその人の連絡先も知りません。共通の知人とも全員関わりを断ち切ったので、もう会うことはないでしょう。
まだ若かりし日のおれが恋したその人は、頭の回転が早くて色んなことを知っていて、とびきり狡くて悪い大人のひとでした。
ずっと好きだって言い続けてはいたんですけど、その人は絶対におれを恋人にはしない人で。その代わり、おれの友人を口説いて恋人にしては暫くすると別れてを繰り返してとっかえひっかえ楽しんでいる。そんな人でした。
「そんなにとっかえひっかえおれのお友達に手を出すくらいなら、おれにしとけば良いじゃない」
って言うと、その人は笑って
> 「お前は私のことを現段階で世界で一番愛してくれているから、私はお前のものにだけはならない。人の心は星をねだる子供みたいなもの。どんなに欲しがって手に入れても、いつかは飽きてしまうだろう?だから私はお前にとって、永遠に手の届かない星でいたいんだ」
…つってね!ええ、本当に、狡くて悪い人でした。でも、好きでしたね。おれがその人から離れるまで、色々なことがありました。傷付けた人も、いました。
結局おれをその呪縛から解き放ってくれたのは当時恋人だった人で。その男は、今はたまに話すだけの、だけどおれにとっては大切な大切な友人となっているわけなんだから、人の心を動かすのはやっぱり、人なんですよね。
そうやって思い返してみて、懐かしさはあれど恋しさはもうない。ただ、おれに関わってくれた人、皆が今幸せであればいい。
そう思えるのは間違いなく、オリバーのおかげなのよ。ええ。