叢雲カゲツ
息をしているだけで、にくまれたり、幸せを願われるような人生。ぼくはいつかちゃんと消えることができる?たった一度出会ったことが、自分の話をしちゃうことが、こんなに長い間誰かを苦しめることになるなんて思わんかった。笑ってほしい誰かを苦しめてることがこんなにずっと苦しいことになるなんて思ってなかったし。ぼくと出会ったことに、そこまで後悔させてしまうなんてことも思わんかった。…ほんまにぼくに聞いてほしかったことって、いちばんだいじな本音って、たぶん最後の言葉なんやろなって思うけどね。…思ってあげたいけどな。どんな言葉を返すのも、そのひとにとってはどれも、どれもが要らんもんなんよな。だって、出会わなければ知らんでよかったことやから。だって、そのひとが望む言葉をぼくはもってないから。やさしくないよ、って言っとったような気がするけど…ぼくはもっとやさしくない。だれにも。だから、出会っちゃってごめんって、まだずっと思ってる。ぼくのこと、話しちゃってごめんって。自分のこと、打ち明けるのはむずかしい。ほかのひとみたいに、言わんければよかった。ともだちみたいに、せんかったらよかった。こころをくだかせてしまわないように、ぼくがすればよかった。どれもこれもそのひとが望むことばやない。…ともだち!って胸を張るのがちょっとだけむずかしくなったっておもう。でもそれを知らせちゃうとそのひとがよけいに苦しくなっちゃうから。たぶんね。ぼくはいつか、ちゃんと消えることができる。そのうち、そのうち。ちゃんと。でもそれは今のつながりをだいじにせんことではない。たくさんのあったかいひとに、君がずっとかこまれていれますように。…ぼくなんかが望まんでも、そうなるか。君はこんなにも、ちゃんとひとのことだいじにできるひとやから。
ばいばい。